脊柱管狭窄症の基礎知識|歩くのがつらい…それ、もしかして神経の通り道が狭くなっているかもしれません
年齢とともに、こんな体の変化を感じたことはありませんか?
- 少し歩くだけで足がジンジンとしびれ長く歩けない
- 買い物で重い荷物を持って帰ると、腰から足まで痛みが走る
- 椅子に座って休むと少し楽になるが、また歩くとつらくなる
葛飾区や京成高砂、柴又エリアでも、このような悩みを抱える方が増えてきています。これらの症状、「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」のサインかもしれません。
このコラムでは、脊柱管狭窄症について、専門用語をなるべく使わずに、身近な例えや実際の体験談を交えながら解説していきます。
脊柱管狭窄症って何?
人間の背骨の中には、神経が通るトンネルのような空間があります。これを「脊柱管(せきちゅうかん)」といいます。
脊柱管狭窄症とは、この神経のトンネルが年齢や姿勢のクセなどにより少しずつ狭くなり、神経が圧迫されて痛みやしびれが出る状態です。
たとえるなら、ホースに水を流しているときに、ホースの一部を踏んづけてしまった状態です。水(=神経の信号)が流れにくくなってしまい、足先にうまく伝わらないことで、しびれや力が入りにくいといった症状が出てきます。
この圧迫は、立っていたり歩いているときに強まり、腰をかがめて休んでいると和らぐ傾向があります。これは腰を曲げることで、神経の通り道が少し広がるためです。
なぜ中高年に多いの?
この症状は、特に40代〜60代以上の方に多く見られます。
というのも、長年の生活の中で、背骨やその周辺の軟骨、靱帯(じんたい)がすり減ったり、固くなったりして、脊柱管を圧迫してしまうことが多いからです。
たとえば、家の水道管も長年使っているとサビやゴミが詰まって水の流れが悪くなりますよね。それと同じように、背骨まわりも年齢とともに少しずつ変化していくのです。
長年、デスクワークを続けていたり、重いものを持ち運ぶ仕事をしていた方、姿勢が悪かった方などに多く見られます。
柴又にお住まいの60代男性の方の声:
「毎朝、ウォーキングをしていたのに、ある日を境に10分も歩けなくなった。最初は筋肉痛かと思ったけど、休むと楽になって、また歩くと痛む。その繰り返しで不安になり病院へ行ったら、脊柱管狭窄症と診断されました」
よくある症状
- 歩いていると足やお尻にしびれや痛みが出る
- 少し座って休むと、また歩けるようになる(間欠性跛行)
- 腰を反らすと痛みが増す
- 足に力が入りにくく、階段がつらい
- 長時間立っていられない
- 足の感覚が鈍くなったり、冷たく感じることがある
症状は片足だけに出る場合もありますし、両足に出ることもあります。
日によって変化することもあるため、「疲れかな?」と軽く考えてしまいがちですが、違和感を放置しないことが大切です。
原因は「老化」だけではない
確かに年齢を重ねると脊柱管狭窄症になりやすくなりますが、単に老化現象というわけではありません。
- 長時間の座り仕事による姿勢の悪化
- 筋力の低下
- 骨盤や背骨の歪み
- 運動不足
- 悪い姿勢の常態化
こうした生活習慣や体の使い方のクセも、大きな原因になります。
例えば、足を組んで座るクセやスマホを見るときに首が前に出る姿勢なども、背骨に余計な負担をかけているのです。
葛飾区内の50代主婦の声:
「最初はただの疲れだと思っていたんです。毎朝、家事の合間に掃除機をかけたり、買い物で自転車をこいだり。そんな生活をずっと続けてきたから、“腰が重い”のは年齢のせいかなと。
でも、ある日、しゃがんで洗濯物を干そうとしたとき、腰から太ももにかけてズーンと重だるい感覚が走ったんです。立ち上がるのも一苦労で、『あれ?これ本当に疲れだけ?』と不安になりました。
整形外科で検査してもらったら、“脊柱管狭窄症の初期かもしれない”と。自分の体の使い方や姿勢を見直すきっかけになりました。」
年齢のせいだと片付けず、自分の体の使い方を振り返ることも必要です。
病院での診断と治療方法
脊柱管狭窄症は、整形外科などでレントゲンやMRIなどの検査によって診断されます。
問診で症状を詳しく伝えることが、的確な診断につながります。
保存療法(手術しない方法)
- 痛み止めなどの薬
- リハビリやストレッチ
- 姿勢指導や生活習慣の見直し
- コルセットの使用など
手術療法
- 神経の圧迫を取り除く「除圧術」
- 背骨を固定する「固定術」
とはいえ、手術に至る方は一部です。ほとんどの方は、まずは保存療法からスタートします。
葛飾区の医療機関でも、保存療法で改善を目指すケースが多く、まずは生活改善を含めた取り組みが推奨されます。
自分でできる対策はある?
「背伸びをするように手を上にあげる」「壁に手をついて体を丸める」などの簡単なストレッチもおすすめです。
京成高砂にお住まいの50代女性の声:
「仕事帰りの買い物や夕飯の準備の頃になると、左足がジンジンしびれてきて、『今日は早く横になろう…』と、家事を途中で諦める日もありました。
整形外科で“脊柱管狭窄症の初期かもしれない”と言われ、薬は出たものの根本的な改善にはならず…。そんなとき、知人の紹介で近くの整体に通ってみたんです。
最初は正直、半信半疑でした。でも、身体の歪みを整えてもらいながら、姿勢のクセや歩き方の指導を受けていくうちに、だんだん夕方のしびれが軽くなっていったんです。
今では、朝のストレッチと軽いウォーキングに整体でのメンテナンスを組み合わせることで、調子のいい日が続いています。
『歳だから仕方ない』と思い込んでいたけれど、きちんと向き合えば体は変わるんだと実感しました。」
痛みが強いときや症状が悪化しているときは無理せず、必ず専門家に相談しましょう。
放っておくとどうなる?
- 立ち上がることが難しくなる
- 排尿や排便のコントロールがしにくくなる
- 一人で外出するのが怖くなる
- 生活の質(QOL)が大きく低下する
「歩ける距離が短くなってきた」「足元が不安定に感じる」などの小さな変化も、将来の寝たきりリスクにつながる可能性があります。
まとめ|まずは“気づくこと”が改善の第一歩
脊柱管狭窄症は、日常生活の小さな違和感から始まります。
歩くことが好きだったのに、最近ちょっとつらくなってきた…そんなときは、体からの「少し立ち止まって見直してみて」というサインかもしれません。
葛飾区や京成高砂、柴又などでも、こうした症状を感じる方が増えています。まずは情報を知り、自分の体と丁寧に向き合うこと。それが改善への第一歩となります。
できることから少しずつ。日々の生活習慣を見直しながら、無理のない範囲で「自分の体を労わる」ことを始めてみましょう。